技術研究部会

シビルセミナー

2022年06月24日 [ 株式会社フジヤマ 重松 克弥 ]

さて、点群をどう使おう
― レーザ計測の可視化技術を活用した落石・法面調査および対策工の設計事例 ―
[PDF/1,405KB]

本稿では、斜面防災事業において航空レーザ計測データの可視化技術を活用した事例を報告する。1つは「落石調査及び対策工の設計」での活用、1つは「災害調査及び復旧設計」での活用である。斜面防災事業では、地形図や航空写真等を基礎資料とした地形判読にて災害要因を抽出し、それらを基に現地調査にて実際の状況を確認する。そして、机上判読と現地調査から、想定される落石や斜面崩壊等の事象を防止するための対策工を設計する。従来の手法で用いられる地形図や航空写真では地形の概形は把握できるものの、斜面内の崩壊跡などの微地形や落石予備物質などの危険因子は抽出が困難である。また、地形判読は技術者の技能や経験に大きく依存するため、技術者により判読結果に差が生じやすい。航空レーザ計測結果を用いることで、微地形や危険因子を、技術者の技能に依存せず図化することが可能となる。これら航空レーザ計測データの可視化特性に着目して、活用事例を報告する。
2022年06月24日 [ 昭和設計株式会社 藤田 嘉久、西谷 誠人、名倉 頌馬 ]

3次元点群データは建設の万能薬か?
-3次元点群データの高度化-
[PDF/1,735KB]

国土交通省では、令和5年度からすべての公共工事でBIM/CIMの原則適用が掲げられており、建設コンサルタントにおいては3次元測量や詳細設計をはじめ、CIMによるマネジメントサイクルへの対応が待ったなしの状況にある図1。さらに、少子高齢化の影響等から建設業界民間、行政共にでは技術の担い手不足が深刻化する一方で、技術者は各種専門技術の高度化への対応と公共施設の資産管理に必要な総合性との両立が求められ、BIM/CIMやAI、ICTなどの新技術を積極的に導入することでDX(デジタルトランスフォーメンション)による技術継承や建設業界の魅力向上を推進していく必要に迫られている。3次元点群データは、BIM/CIMによるマネジメントサイクルを回す始めのツールであり、このデータを日常業務に普及、利活用することでDXが加速し、建設業界の生産性向上等の課題解決につながるものと考える。本稿では、3次元点群データを道路災害復旧業務への活用した事例について報告する。
2022年06月24日 [ 服部エンジニア株式会社 飯塚 友章 ]

『ICT 計測機器で心と体の負担を軽減』
「安全性」や「作業員の心理的・身体的負担の軽減」を重視した作業手法の選択
[PDF/954KB]  

国土交通省では、「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することで、建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組みとしてi-Construction(アイ・コンストラクション)が推進されている。これに伴い建設コンサルタント業務の測量現場では、レベルやトータルステーションを用いた従来方法に変え、ICT計測機器を活用した作業手法を選択する機会が増えている。しかし多くの測量現場において、未だに従来方法での測量作業が選択されており、ICT計測機器の活用は限定的であることから、従来方法に変え、幅広い業務でICT計測機器の活用が強く望まれている。
2022年06月24日 [ 株式会社建設コンサルタントセンター 小澤 航介、増田 浩章 ]

設計箇所を確認。・・・施工困難?
~ 狭隘箇所における河川護岸施工計画検討 ~
[PDF/2,304KB]  

巴川は静岡県の中央部に位置し、静岡市葵区及び清水区の市街地を貫流する延長17.98km、流域面積104.8km2の二級河川である。昭和49年には七夕豪雨により流域に甚大な被害が生じ、昭和54年に総合治水対策特定河川に指定され、以降、継続的に河川改修などの治水対策が進められている。近年は、時間当たり69mmの降雨規模(年超過確率1/10規模の降雨)による出水に対して、溢水、破堤などによる家屋被害の発生を防止し、内水排除先となる巴川の利水・環境面の調和を図ることを目的に、既設ブロック積式護岸の前面に機能強化として、自立矢板式護岸工設置を主とした整備が行われている。本稿は、静岡県が定めた巴川の整備計画に基づき、自然災害防止対策として未整備区間であった、静岡市清水区千歳町に位置する千歳橋から静岡鉄道橋までの間、右岸L=220mの護岸整備を実施するに当り、施工上の課題について検討した事例を紹介する。
2022年06月24日 [ 静岡コンサルタント株式会社 塚田 俊貴 ]

効果的に既設堰堤の機能,性能を長期維持確保
濁川砂防堰堤改築設計について
[PDF/546KB]

静岡県では、砂防関係施設の健全度を把握し、維持、修繕、改築、更新にかかるライフサイクルコストの縮減及び修繕等に要する費用の平準化を図る「予防保全型維持管理」を導入した「長寿命化計画」を進めている。今回改築設計の対象となった濁川砂防堰堤は、昭和31年に施工された練石積の砂防堰堤であり、建設後66年が経過している。令和2年に行われた砂防設備パトロールにおいて、経年劣化による老朽化が顕著なことと、現行基準(「砂防設計の手引き」1)を満たす機能・性能が確保されていないことを理由に“要対策”と判定された。当該設計業務は、単に堰堤を新設設計するものではなく、既設堰堤について現地調査や資料収集・解析を行い保有する機能及び性能を確認し、それを現行基準まで高める最も効果的な改築工法を提案するものである。ここでは、既設構造物の機能・性能の確認や改築工法の提案など、業務を進める上で発生した様々な課題に対して行った提案や検討、対策について報告する。
2022年06月24日 [ 不二総合コンサルタント株式会社 内山久仁晃 ]

変状原因はいろいろな視点から推定しよう!
~ 橋台の変位抑制対策 ~
[PDF/546KB]

我が国の橋梁は、昭和40年度からの高度成長期以降にかけて数多く建設されており、急速な高齢化が生じている。限りある時間や予算の中で維持管理をしていくために、5年に1度の定期点検により道路橋の状態を把握し、補修が必要と判断された橋梁に対して補修設計が行われている。構造物の長寿命化対策を効果的に実施するためには、最適な補修工法の選定が不可欠であり、補修が必要と判断された変状の原因を架橋位置の地形や利用状況等様々な視点から検証、推定することが重要である。
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