技術研究部会

シビルセミナー

2017年06月30日 [ 昭和設計(株) 太田 和雄 ]

橋梁群の効率的かつ効果的な維持管理をめざして 橋梁長寿命化修繕計画の更新[PDF/462KB]

 我が国では昭和39 年の東京オリンピックを契機とする高度経済成長に合わせ、多くの道路構造物が建設された。道路構造物は国民の生活環境、経済活動の向上に大きく貢献してきたが、近年はこれらの多数が一斉に老朽化の時期を迎えている。
 本論文では、平成26 年度の富士市による橋梁長寿命化修繕計画の更新を通じて橋梁群の効率的かつ効果的な維持管理をめざした事例を紹介し、併せて現在の我が国における道路の老朽化対策に関する取組みを踏まえ、地方公共団体における道路橋維持管理の今後の課題を述べる。
2017年06月30日 [ 株式会社 建設コンサルタントセンター 伊藤 剛 ]

治水機能向上と桜並木の保全 ~勝間田川護岸詳細設計~[PDF/2,807KB]

 勝間田川は、榛南地域に位置し、主に牧之原市を流れ駿河湾に注ぐ流域面積36.4km²、延長約14.6 ㎞の二級河川である。
 その流域内人口は、約1 万5千人、流域には茶の産地として名高い牧之原台地を含み、下流域には、田園が広がり、ふるさとの景観を有する河川として、流域各所で地域の憩いの場を提供している。
 近年、局地的豪雨の発生頻度が高まる中、当該流域も平成16 年に溢水して家屋まで浸水する被害が発生しており、今後も更なる浸水被害が懸念される。
 本業務は、治水機能向上を目的として、勝間田川の下流域となる静波地区において、延長L=1200m の護岸詳細設計を行ったものである。
 設計対象区間には、桜並木で有名な、「勝間田川堤」があり、春の訪れとともに桜が満開となる頃には、地域で桜祭りが催される。河岸の新緑と桜の彩は、美しいふるさとの風景を創出し、地域にも親しまれている。
 河川整備計画において、治水の向上とともに、桜並木は、極力保全する方針となっており、本業務においても、VE ワークショップを開催し、治水安全度の向上と桜の保全を可能とする計画断面の検討と、護岸工法の選定を行った。
2017年06月30日 [ 伸東測量設計(株) 高橋 誠・小澤 健久 ]

山葵田における農業用モノレールの詳細検討 農業用モノレール整備の取り組み[PDF/1,129KB]

 伊豆半島の山間部は豊かな自然環境に恵まれており、天城山系の清流を利用した山葵栽培などの農業生産が行われている。伊豆市のみらい伊豆地区の山葵田は、道路が設置できない急傾斜地を階段状に造成した農地であり、そのため農作業において生産資材や収穫物の運搬にモノレールが広く使用されてきた。敷設後30 年近く経過した施設もあり、動力車やレール等の老朽化に伴う損傷により営農作業に支障をきたすようになってきた。農作業の効率性の維持・向上を図るためには、モノレール設備の補修や更新を含む適切な対策を講じることが必要となった。そこで、現地調査によりレール・運搬機等のモノレール設備の損傷状況や更新の有無の必要性を確認し、更に更新のための判定基準の作成に取り組むことにした。
 本稿では、当社が平成27 年度に実施した「中山間総合整備事業みらい伊豆地区」業務の事例に関して報告する。
2017年06月30日 [ 不二総合コンサルタント株式会社 鈴木 正人 ]

民間企業を施行者とした個人施行の土地区画整理事業によるまちづくり
~「磐田市見付美登里土地区画整理事業」の計画~
[PDF/4,913KB]

 本事業の対象地区は、JR 東海道線の磐田駅の北約3km、東名高速道路磐田インターチェンジから南へ約1km、国道1 号見付インターチェンジの南側に位置し、都市計画道路磐田インター線に沿った面積約5.7ha の地区である。磐田市の都市計画マスタープランの見付地区まちづくり方針において、「低未利用地区域での計画的な市街地整備の誘導」地区に位置づけされている。
 しかし、幹線道路沿いはゴルフ練習場が立地しているものの、その西側は大部分が山林となっており、有効な土地利用がなされていない状況であった。
 これまで、このような地区については、まちづくりの代表的な手法である土地区画整理事業による整備が行われてきたが、その多くは土地区画整理組合、あるいは既成市街地であれば市町などの地方公共団体によるものであった。
 しかしながら、近年は社会情勢の変化などにより、組合施行では合意形成が図られない、あるいは資金確保のための保留地処分に苦慮したり、行政でも予算の確保が難しい状況となっており、これまでのような行政主体の土地区画整理事業を実施することが難しい状況となっている。
 したがって、今後ますます少子高齢化や人口減少が進み、コンパクトシティの形成が求められている中で、民間企業と融合した土地区画整理手法を活用することは、今後のまちづくりを行う上でも非常に有効である。
 そこで、本地区ではゴルフ練習場の撤退をきっかけに、その跡地利用及び西側の未利用地について磐田市の土地利用方針に基づく、民間企業の個人施行(同意施行)による土地区画整理事業を活用し、早期完成を目指してまちづくりを行った。
2017年06月30日 [ 株式会社 東日 市川 美南海 ]

今後のインフラ維持データの3D化
狩野川東部浄化センターにおける諸施設の一元管理と3次元データの今後の活用例
[PDF/1,916KB]

 近年、公共施設の老朽化に伴う維持・管理・更新が早急な課題となり、財政運営上の大きな負担となってきている。これら課題に対応する為、施設の現状を正確に把握し、計画的・効率的な維持・管理・更新を行うことにより財政負担を軽減・平準化することが求められている。
 こうしたニーズに対応できるよう、静岡県沼津土木事務所から受託した、狩野川東部浄化センターにおける公有財産台帳作成業務を、新たな手法にて実施したので報告する。加えて、業務で取得したデータを利用し、試験的に3次元モデルの作成も行ったので紹介する。
2017年06月30日 [ 静岡コンサルタント株式会社 今田 圭子 ]

地域住民と共に作り上げる水辺空間 "蓮沼川修景整備工事実施設計"[PDF/3,011KB]

 蓮沼川は全長約1km、三島市南西部への農業用水路として作られた。小松宮別邸があった楽寿園・小浜池の湧水を水源とすることから、「宮さんの川」の愛称で親しまれている。
 豊富な水は、人々の生活用水であり子供の遊び場でもあったが、昭和30年代後半ごろから水量が減り、川はどぶ川のように汚れてしまった。そこで地域の有志が三島市と協議し、工場から冷却水を流してもらうことになり、現在のようなきれいな川になった。地域の人々が「宮さんの川を守る会」を立ち上げ、川の清掃や花壇の管理を行っている。
 近年、施設の老朽化や川の水質悪化により、蓮沼川の美しさを保つことが困難なじょうきょうとなってきた。本業務は、これらの問題を解決し、観光客や散策者の快適性の向上、市街地の癒し空間の創出を目的とした設計業務である。
2017年06月30日 [ 株式会社フジヤマ 海野 剛司 ]

~国宝久能山東照宮を守るために~
(国宝)(重文)久能山東照宮 本殿・石の間・拝殿ほか13棟建造物 防災施設設計・工事監理
[PDF/3,822KB]

 ① 久能山の位置
 久能山東照宮は、旧静岡市と旧清水市にまたがる有度山(日本平)の南麓に位置しており、アクセス方法は、日本平山頂から日本平ロープウェイによる方法、または海側から1159段の階段を上る方法の2つのみであり、車両によるアクセスは不可能である。
 ② 計画地
 本計画地は、久能山東照宮の西麓と西麓側の山地、境内である。
 西麓側の山地は非常に急峻な山林となっており、境内はこれらの山林に囲まれている状況である。
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